カーボンの活用について

カーボンを材料としたカーボンファイバーや炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などが軽量でありながら強度があるのは、その炭素原子の構造に理由があります。カーボンファイバーなどは炭素原子が鉄などよりも少ない原子量で構成されているため軽量となりますが、炭素原子が強固な共有結合でつながれているために、鉄よりも軽く丈夫な極めて強度のあるものとなっているのです。

このような構造を活用することによって、今使われている構造材料よりも軽くて強いカーボンの材料でさまざまなものを作ることが可能となります。しかし、カーボンを材料としたものであるために、木炭のように燃え易いのではないのかと疑問を抱く人がいますが、木炭とカーボンファイバーなどの構造の相違によって、容易に燃焼することはありません。

燃焼はカーボンと酸素が反応し続けることで起こりますが、木炭の場合は構造も粗いために簡単に酸素と反応を起こすため燃焼しやすくなっていますが、炭素原子が整然と配列し相互に強固な結合をしているカーボンファイバーなどは、酸素と容易に反応しないため燃焼しくくなっています。

他の材料と比較しても安定した構造を持っているカーボンを使った材料であれば、自動車や航空機などの信頼性を要する材料を使わなくてはならない場合でも、安心して使用することが可能なのです。
そして、さらに炭素原子が独特の構造をしているカーボンナノチューブ・カーボンナノホーン・フラーレンなども、実用化されるのが目前になっています。



<目次>
1) カーボンの同素体
2) カーボンの加工
3) 重要性が増していくカーボンの未来


■1.カーボンの同素体

同じ元素から構成されるものであっても、配列や結合仕方が違うものは同素体と呼ばれるますが、カーボンにもこの同素体が数多くあることが知られています。同素体は構成する元素が同じでありながら、異なる性質を有することが特徴で、ダイヤモンドや黒鉛のような硬度や電気伝導性の異なるカーボンの同素体が存在することとなっています。

カーボンの同素体には、次ののようなものが存在します。

・ダイヤモンド
天然に存在する物質中では最も硬いものとして知られ、昔から宝石として大事にされているものです。
高温高圧合成法や化学気相蒸着法により人工的にダイヤモンドが製造できるようになると、切削や研磨するための道具として使われるようになっています。

・グラファイト
共有結合によりカーボンが層状に結合したものですが、層と層の結合は弱くすぐにはがすことが出来ます。
鉛筆に芯に使われたり、粉末にして潤滑剤に添加されることもあります。

・フラーレン
炭素原子だけの中空で球状の構成のもので、極めて安定している点が特徴とされています。
潤滑剤や化粧品などに使われていますが、医薬品やエレクトロニクス分野での研究が行われおり、実用化が期待されています。

・カーボンナノチューブ
炭素によって作られた管状のもので、単層のものをシングルウォールナノチューブ、多層のものをマルチウォールナノチューブと呼びます。半導体や燃料電池など数多くの分野での応用が期待され、研究開発が進んでいる状態です。


■2.カーボンの加工

カーボンを材料としたものは、今までにない軽くて強度のある材料として多くの場面で活用されていますが、製造や加工を行う際には扱いに注意をする必要があります。加工の際に微小なカーボンの粉塵などが発生して、そのまま放置をしておくと電気機器などの中に入ってしまい短絡して故障や事故の原因ともなる可能性があります。

そのため、カーボンを扱う場所については、粉塵が発生しても問題ない場所を選び、加工などが終わった後はきちんと清掃をしなくてはなりません。また、粉塵などが人体に付着してしまうと、健康に影響を与えることもありますので、カーボンを材料を処理する際にはメガネやマスクなどを付けて服装も肌の露出が少ないようなものを着用するなど、十分に用意を整えてから行うようにしなくてはなりません。

そして、残った材料や粉塵などについては、焼却炉で燃やしても完全に処分することは出来ませんので、廃プラスチックと同じように廃棄する必要があります。最近はカーボンを使ったシートや板などが容易に入手出来るようになっていますが、加工を行う前には十分に準備を整えて行うことが大切です。

カーボンについての知識を深め、安全対策を行えば危険はありませんが、出来ればカーボンの加工や処理に関しては、専用の設備がある企業に依頼をした方が安全で満足の行く処理を行うことが出来ます。安易な考えでカーボンを使った材料を加工などを、しないようにすることが大切です。



■3.重要性が増していくカーボンの未来

カーボンは古くから人々に知られたものであり、色々な形で生活や産業のために広く使われるて、馴染み深い材料として親しまれて来ました。そのため、カーボンは重要な資源ではあるものの、古い材料であり新しい時代の技術には相応しくないものという見方をされている時代もありました。

しかし、近年になり製造技術や科学技術が進歩を遂げると、カーボンの持っている特性をさらに活用することが可能となり、各分野で画期的な製品を作る材料として注目を集めるようになっています。エレクトロニクス・航空機・自動車分野などでは、カーボンを使った部品がなくてはならない存在となっていますし、身の回りの生活用品にも数多くのカーボン応用製品が使われています。

そして、この後さらにカーボンの重要性が増すことが予想されていますので、カーボンの市場が今後飛躍的に拡大し、どのような産業分野でもカーボンを利用するような社会が来ることが考えられます。また、現在注目されているカーボンナノチューブや多孔性カーボンなどの新しい材料についても、研究や開発をする段階から実用化する段階へと移って来ていますので、近い将来このような材料を使った製品が大量に製造されるようになって、今課題とされることを解決することが出来る可能性があります。

今後は、カーボンが新しい技術の中心として活躍するような時代を迎えて、今まで使われていたものと置き換わるようになると考えられています。



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