カーボンの価格

カーボンを材料とした製品は軽量で強度もあるため、今までに使用していたもののかわりに使うことで、品質を高めることが出来るようになっています。当初は価格も高く利用出来る人も少なかったカーボン製品ですが、製造技術の進歩によって、比較的安い価格で利用出来るようになっています。

カーボンを使った製品として有名な炭素繊維プラスティックはいくつもの製造方法が存在しています。最大限の軽量化を行い最も強度のあるドライカーボンは専用の設備が必要で手作業も多いので今でも高価な製品ですが、大量生産が可能なウェットカーボンであれば手頃な価格で購入出来るようになっています。

価格よりも決まった性能を満たすことを重視しなくてはならない宇宙開発用の製品や航空機などは、ドライカーボンを採用する必要がありますが、ある程度重量あったり最高の強度が不要でも問題のない場合は、ウェットカーボンを使用することで、価格を下げることも可能となります。



また、ウェットカーボンであっても、日々製造技術が進歩していますので、より高性能の製品を作り出すことが出来るようになっていますので、用途に応じたカーボン製品を選ぶことによって、価格を抑えてカーボンの特性を利用した製品づくりをすることが可能となっています。


そのため、カーボンを材料として製品を作る時は、必要とされる性能を明確にすることで、必要以上の機能を抑えて経済的な製品を作ることが重要となります。

<目次>

1)カーボンの販売
2)カーボン製作
3)カーボンの塗装
4)カーボンのオートクレーブ成形

■1.カーボンの販売

カーボンのいくつもの優れた特性が評価されるようになって、数多くのカーボンを応用した製品が販売されるようになっています。これからも、数多くのカーボン製品が開発されたり販売されることが期待されていますが、カーボンの性質を良く理解した上で、開発を行ったり販売をすることが大切です。同じようなカーボン製品であっても、素材や製造法の違いにより価格や機能の大きな差が出ることも少なくありません。

必要とされる機能を経済的な方法で実現する方法を採用することが、カーボン製品を正しく利用する上で重要なことであり、いたずらに高機能なカーボン製品を採用したり、適切でない製品を選んでしまうと、カーボンを応用した製品の本当の価値を生かすことが出来ません。

まず、カーボン製品の用途や仕様などを明確にして、適切な製品を購入するようにすることが重要です。そのような、用途に応じた提案をするためには、カーボンについての深い理解と豊富な実績がなくては出来ないことです。

そして、現在は実用化するために研究開発されているカーボン材料についても、次々に製品化されて来ますので、今までの技術だけで満足することなく、最新の技術に関しても常に理解をすることが大切になって来ますし、そのような最新に技術を活用するためには、それらに適した設備やノウハウなども必要になりますので、さらなる努力がなくてはカーボン製品の販売に関わることが出来なくなります。


■2.カーボン製作

カーボン製品を製作するためには、その強靭で耐熱性のある材料を加工するにあたり、専門的な設備や技術が必要となります。専門の加工業者へ製作を依頼することになりますが、その製品の種類と加工方法について、簡単にご説明いたします。

一般的にカーボン製といわれる製品を大きく分類すると、「ドライカーボン」と「ウエットカーボン」に分けることができます。このドライカーボンとウエットカーボンの違いは、ドライカーボンはエポキシ樹脂、ウエットカーボンはポリエステル樹脂という具合に、使われている樹脂とカーボンシートの種類が異なることと、その成形工法に違いがあります。

製品の仕上がりや見た目は似ていても、上記の違いによりドライカーボンは、FRPやウエットカーボンより機械的強度が数十倍高く、性能に大きな違いがあります。

○ドライカーボン 
ドライカーボンは超強度と超軽量を両立した製品ですが、あらかじめ製作した「型」にカーボンクロスを何層にも貼り、高温・高圧で仕上げるという、手作業が無くては不可能な製作工程となります。ドライカーボンの製作は製造設備や材料費、生産の手間がかかることからコストが高くなってしまうようです。ただ、性能面では、ドライカーボンはウエットカーボンに比べ耐熱性が高く、機械的強度が数十倍高いため、高性能であることを必要とする、F1などのレース用の自動車パーツや、航空・宇宙工学分野分野で使われています。

○ウエットカーボン
ウエットカーボンは、カーボン繊維に樹脂を染みこませて自然乾燥させる製作方法となるため、製造工程が簡単で専門設備が不要なので、低コストで製作できます。しかし、ドライカーボンほどの性能は求められません。また、値段も非常に安いため、車市場に出回っている9割以上はウエットカーボンとなっています。

現在ではウエットカーボン製品の性能が向上し、ドライカーボンと見た目では判断しづらい物もありますが、こちらは性能よりも見た目や価格を重視した製品となります。




■3.カーボンの塗装

カーボンを使用した材料に塗装を施すことで、紫外線や外気に触れることを防ぎ劣化するのを防ぐことが出来ますが、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)のようなものに綺麗に塗装をするためには、高度な技術が必要となります。

カーボンのシートや板などを購入して、自分で色やデザインを決めて塗装を行うことも出来ますが、中々見た目良く綺麗に仕上げることが出来ないことが多いのが現実です。特にカーボンを生かした外観にするためには、設備やノウハウが必要となりますので、販売する商品に塗装をする場合や多くの人の目に触れるようなものついては、カーボンを扱う会社に塗装の依頼した方が間違いがありません。

その方が自分で塗装するよりも短時間で綺麗に塗装が施されますし、結果を考えれば費用もそれ程高くならない筈です。また、塗装をするだけでなく、カーボンに関する様々なアドバイスを受けることも可能ですので、自分達だけで加工したりするより良いもにすることが出来ます。

新しくカーボン製品に塗装をする時ばかりではなく、使用していたカーボン製品の塗装が剥げてきたり古ぼけてしまった時なども、塗装の補修を依頼することで新品同様の製品にすることも無理ではありません。

塗装の内容についても、3DCADや3Dデジタイザなどを使用すれば、実際に塗装をする前に何度でも塗る色を変えて試して検討することも可能ですので、満足する塗装を施すことが出来るようになります。


■4.カーボンのオートクレーブ成形

CFRP(炭素繊維強化プラスチック)は、強化材にカーボンファイバーを用いた繊維強化プラスチックです。母材には主にエポキシ樹脂が用いられていて、単にカーボン樹脂、またはカーボンと呼ばれることもあります。CFRPは高い強度と軽さを併せ持つ材料のため、さまざまな用途に使用されています。

ゴルフクラブのシャフトや釣り竿などのスポーツ用途から実用化が始まり、建築、橋梁の耐震補強など、建設分野でも広く使われています。また、その成形品はさまざまな特性や高度な技術力が要求されるものが多く、現在ではF1や航空機、宇宙開発等、最先端の分野では決して欠かせない材料の一つとなっています。

現在、成形方法は、大きく分けて2種類あります。オートクレーブ(大型圧力装置)成形「ドライカーボン」とハンドレイアップ成形「ウェットカーボン」です。

この、オートクレーブ成形法とは、成形型にあらかじめパターンカットされたプリプレグ(炭素繊維織物に樹脂を含浸させたシート)を配置し、一層ごとに真空ポンプで脱気を行い、必要な板厚になるまで積層した後、オートクレーブ(大型圧力装置)に入れて高温・高圧・真空にて成型する方法です。

これで成型されたものは高強度、高耐久、超軽量なものとなりますが、生産工程が完全な手作業となることや、オートクレーブのような設備が必要で時間もかかるため、コスト高となり量産には向きません。使用される例として、レース用の自動車フレーム、自転車フレームやパーツ、航空機の翼、宇宙工学、楽器ケースなどに限られています。

また、これに対して、「ハンドレイアップ成形法(ウェットカーボン)」という方法があり、こちらは刷毛やローラーを用い、人の手で樹脂を含浸・脱泡しながら積層する成型法です。コストは抑えられますが、オートクレーブ成形法(ドライカーボン)ほど重量が軽くならず強度も高まりません。重量と強度の比はガラス繊維強化プラスチック (GFRP) と同程度に留まりますが、安価・軽量で耐久性がよいので、一般の方でも成型できる方法として普及しています。



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