特殊炭素製品について

炭素は数ある元素の中でも地球上に広く分布しているものの一つで、海水の中・大気中・地殻の中と至る所に存在していますが、9割以上は地殻の中に存在することが知られています。そのため、どのような地域でもさまざまな炭素が含まれたものを利用して生活することが可能になっています。

炭素単体で存在することも可能ですが、自然界では他のさまざまな物質と組み合わさって化合物として存在することが多いのが特徴です。

また、炭素の同素体の種類も多く、ダイヤモンドと黒鉛のようにまるで違った性質のもの存在しています。炭素を豊富に含む石炭や石油などは、昔から人類になくてはならない天然資源として大切にされて来ましたし、今でもこれら天然資源のおかげで豊かな生活を送ることが出来ます。

その他の身近な炭素の活用方法としては、木などの有機物を燃やして木炭として利用するなど、炭素は常に身近な存在として多くの人に活用されて来ました。

しかし、昔から親しまれて来た炭素は、古い天然資源として利用方法なども一定のものに限られていたため次第に注目されることも少なくなって行きましたが、炭素の新しい機能の発見や微細加工技術の進歩とともに、新しい技術を実現するためには欠かせない材料となっています。

これからの新技術の代表的なものとされるナノテクロジーの分野でも、カーボンナノチューブやカーボンナノホーンなどが、最も実現性が高く有効な成果が出せるものと期待されています。

<目次>
1)炭素繊維強化炭素複合材(CCコンポジット)
2)特殊炭素製品
3)地球温暖化対策
4)カーボン・オフセット
5)カーボンと環境


■1.炭素繊維強化炭素複合材(CCコンポジット)

カーボンを使った製品は数多くありますが、軽くて丈夫なものとして炭素繊維強化プラスチックが有名で多くの分野で使われていますが、この炭素繊維強化プラスチックの強度をさらに高めたものとして、炭素繊維強化炭素複合材があります。

カーボンカーボン複合材料やCCコンポジットと呼ばれることもある
炭素繊維強化炭素複合材の製造方法は、炭素繊維強化プラスチックに熱処理を行い炭素以外の材料を炭化させることによって、より強度のある材料とするもので、さらにプラスチック材料を新たに加えて熱処理を何度も加えることもあります。

この製造過程において、強度の弱いプラスチック材料が炭化して炭素同士の共有結合だけで構成されるものへと変わるために、より強い材料と生まれ変わることが出来るのです。

このような今までにない製造方法を採用することで、それまで炭素繊維を用いた材料の強度の限度と考えられていたものを超えるものを作り出すことが可能となりました。

炭素繊維強化炭素複合材を製造するためには、従来の炭素繊維強化プラスチックを製造する時以上の工程が必要となるために、時間も要し費用も掛かりますが、非常に優れた強度を有し耐熱性にも優れている材料であるため、航空機やロケットなど材料にも高い性能が要求される分野で積極的に使用されています。

今後も、さまざまな炭素材料の製造方法が考案されて、生活を豊かにするようなより良い材料が製造されることが期待されています。


■2.特殊炭素製品

炭素を材料にした製品は、軽量でありながら高い強度を持つなどの長所があるために、数多く製造されるようになっています。

最近では、量産されて価格の安い製品が数多く販売されていますので、日常生活でも気が付かない内に使用していることがある位です。

しかし一方では、今まで炭素が材料として使われたことがなかった製品や部品などに対しても、新たに炭素を使った材料に換えることで、大きな性能の向上を求める機会も増えています。

炭素を使った製品には、数多くの利点が存在しますので、今までのものと比べて画期的な性能の向上を期待することも可能です。

半導体産業や医療分野など、これからも新しい技術を導入して今まで以上の有効な製品を作り出さなくてはならない分野においても、数々の特殊炭素製品が使われるようになって有効性が示されています。

そのような特殊炭素製品を開発製造するためには、炭素を扱う技術や毛経験が豊富であることに加えて、対象となる製品がそのように使われるのかについての知識も必要とされて来ます。

状況に応じた適切な特殊炭素製品を作らなくては、折角炭素を使った新しい製品を作ろうとしても、十分な性能を発揮することが出来ず、結果として費用ばかりが掛かりわざわざ炭素を使う甲斐がなかったことになってしまいます。

このようなことを避けるためには、具体的な開発や製造に入る前に、カーボンについての深い知識を使って製品の内容の検討を行うことが欠かせないのです。


■3.地球温暖化対策

産業が高度化し豊かな生活を送ることが出来るようになりましたが、その影響で地球環境の悪化が目立つようになっています。特に問題となっているのが、石化エネルギーの利用に伴う二酸化炭素の放出による地球温暖化の問題です。

世界の国々が現在の環境を分析して話し合いを行って、二酸化炭素の排出量を制限するなどの地球規模の取り組みが行われるようになっています。

いきなり二酸化炭素の排出量の削減をするのが難しい地域は、カーボン・オフセットと呼ばれるものを利用して、他の地域の協力を求めて地球温暖化対策を実行して、健全な環境を取り戻そうとい活動が始まっています。

そして、利用する商品やサービスなどを良く検討することでも、二酸化炭素の排出量を減らすことは可能ですが、新しい技術を採用することで今までよりも二酸化炭素の排出せずに生活することも可能です。

そのような新技術の中でも、実現の可能性が高く最も期待されているものの一つがカーボン材料の有効活用です。カーボンは強度もあり軽量であるため、従来の材料のかわりに使用することでより少ない燃料で、今までと同じようなことをすることが出来ますので、石化エネルギーを使用していても二酸化炭素の排出量を減少させることが可能なのです。

炭素が地球環境を悪化させていますが、その炭素からつくられているカーボン材料を利用すれば今までの生活を変えることなく、豊かな暮らしを続けることが出来るのです。


■4.カーボン・オフセット

環境を破壊する原因ともなっている二酸化炭素などの温室効果ガスの排出を規制する動きが、世界規模で活発になっています。

今まで経済の発展や個人の生活を重視するあまりに、環境に対する配慮はされてきませんでしたが、今後このまま生活を続けて行くと、地球環境にとってとりかえしの付かないことになってしまいます。

しかし、現在の経済活動や日常生活は石化エネルギーへの依存の割合が高く、ある一定量の温室効果ガスの排出が避けられないものであることも事実ですので、いきなり無理に排出量を削減してしまうと、さまざまなことに影響が及び、生活や産業に支障が出てしまうことになります。

そのため、どうしても削減出来ない温室効果ガスについては、温室効果ガスの排出量の少ない地域に削減量を埋め合わせてもらい、その代わりに資金などを支援するような約束をして、全体的な削減量を一定の基準以下にすることをカーボン・オフセットと言います。

しかし、他の地域が温室効果ガスの排出を制限しているから好きなようにして良いのではなく、使用する商品やサービスの内容を確かめて無駄に温室効果ガスの排出することを抑える努力を続け、社会全体の構造も変化させて将来は自分達の地域だけで制限されている量を下回るようにしなくてはなりません。

自分達の地域だけで目標となる二酸化炭素の排出量とするためには、二酸化炭素を排出するものの使用を控えるだけではなく、効率的な資源の使用方法も考慮することが大切です。


■5.カーボンと環境

カーボンは地球の至る所に存在するものであり、人間はそのカーボンを利用して豊かな生活を送っています。今後さらにカーボンの重要性が増して行くことになりますが、大気中に排出される二酸化炭素が原因となって地球の温暖化の原因となっているなど、環境面への配慮も検討しなくてはならない段階に来ています。

本来カーボンが二酸化炭素として大気中などの排出されても、植物が二酸化炭素を取り込んで植物が成長するための元となり、その後成長した植物などを燃料として燃やすことで、また大気中に二酸化炭素が排出されるということを繰り返して行われても問題がありませんでした。

これは、カーボンが循環する過程において、そのバランスが保たれていたために、大気中の二酸化炭素の量が過剰となることがなかったからです。

地球温暖化を避けるためには、この循環のサイクルにおいてカーボンが増えも減りもしない均衡した状態であることが望ましいとい考え方があり、これをカーボンニュートラルと呼ぶことがあります。そして、カーボンが過剰に排出される状態をカーボンネガティブ、カーボンが少なくなる場合をカーボンポジティブとしています。

現在の二酸化炭素が大量に排出される状態を改善して、カーボンニュートラルの状態にするために、二酸化炭素の排出量を一定水準に保つための制度がカーボンオフセットで、地球的な規模で二酸化炭素の排出量の少ない地域が多い地域の分を補うようなものです。



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